2月19日・18日のデブサミと27日・28日のOSC Tokyo/Springに向けて印刷物の入稿に忙しかった前田です。自分ではIT技術者のつもりですが、IllustratorやPhotoshopを使ったり印刷物の校正したりしている時間が割と長いです。
さて、今回は印刷物などで常用しているフォントを紹介します。私はデザイナーではなくそれほど頻繁に制作をするわけではないので、フォントにはお金をかけずに基本的にOSやアプリケーションに付属しているものか無料で入手できるものだけを使って制作しています。
IllustratorやPhotoshopなどAdobe製品に付属しているフォントです。印刷屋さんにパンフレットなどの制作をお願いするとこのフォントが使われることが多いようです。
OS付属の日本語フォントは太さのバリエーションが少なく、特に細い字が無くて困るのですが、小塚ゴシックは6種類もの太さが用意されています。
AdobeとGoogleが共同開発し、2014年にリリースされたオープンソースのフォントです。小塚ゴシックと似た雰囲気ですが、小塚ゴシックよりさらにすっきりした印象を受けます。この点が気に入っていて、最近は源ノ角ゴシックを多用しています。
太さのバリエーションは小塚ゴシックより1種類多い7種類で、特に本文用に使いやすい太さがExtraLightからRegularまで4種類と充実しています。
Adobeからは「Source Han Sans Japanese」(日本語名: 源ノ角ゴシック)、Googleからは「Noto Sans Japanese」としてリリースされています。AdobeからのダウンロードはTypeKitアカウントが必要なので、Creative Cloudを使っていない人はGoogleからNoto Sans Japaneseをダウンロードするのが簡単です。
使用例としては、例えば以下のスライドは源ノ角ゴシックを中心に使っています。
Mac OS Xに付属の日本語フォントです。iPhone/iPadの画面や高速道路の案内標識(2010年7月以降発注分)でも使われています。
10年以上前にMacを初めて買ったとき、それまでMSゴシックで見ていたwebサイトがMacのヒラギノで表示されたらずいぶんあか抜けて見えたことは今でもよく覚えています。
市販されているフルセットのヒラギノ角ゴシックは太さが9種類用意されているのですが、Mac OS Xに付属しているのはW3・W6・W8の3種類です。細めのウェイトは付属していないので使いどころがやや限定されます。
なお、「ファーエンドテクノロジー株式会社」の社名を表示するときはヒラギノ角ゴシック W6を使っています。
また、拙著『入門Redmine 第4版』は、表やコラムがヒラギノ角ゴシック、本文がヒラギノ明朝で組まれているようです。
"futura"はラテン語で「未来」という意味です。"o"が円、"l"が直線で表現されるなど円弧と直線を多用したフォントはジオメトリック・サンセリフと分類されるのですが、その代表がFuturaです。近代的な印象を受けますが歴史は案外古く、1923年の発表です。
有名な使用例としてはルイ・ヴィトンのロゴが挙げられます。同社のwebサイトも英数文字はFuturaで表示されています。
ファーエンドテクノロジーが2014年10月から掲示している「Ruby City MATSUE」の屋外広告では、デザイナーさんにお願いして「Ruby City MATSUE」の文字にFuturaを使ってもらいました。
Mac OS XではMedium、Medium Italic、Condenced Medium、Condenced ExtraBoldの四つが付属しています。
Futuraとよく似たフォントです。Windowsに標準で付属しているので、WindowsでFuturaっぽい雰囲気のフォントが欲しいときはCentury Gothicで代用できるかもしれません。MacでもMS Officeをインストールすればついてきます。こちらはRegularとBoldが用意されているので本文・見出しともに使いやすいです。
Century Gothicは小文字の高さ(x-heightといいます)が高いのが特徴です。"A"と"a"などの高さの比率を比べてみるとわかりやすいです。"b"、"d"、"q"などの文字の縦の線の長さも短いので、文字を構成する円や円弧が一層強調されて丸っこい印象を受けます。
使用例としては、AKB48のシングルCD「ラブラドール・レトリバー」のジャケットのフォントが多分Century Gothicです。
Mac OS Xにバンドルされているフォントです。
Futura同様に直線や円弧を多用したジオメトリック・サンセリフですが、Futuraよりも柔らかい落ち着いた印象で本文にも使いやすいです。1988年に発表されたAvenirを小林章氏と元々の制作者Adrian Frutiger氏が改良したのがAvenir Nextで、2004年に発表されました。Futuraと比べると"a"と"o"、"i"と"j"の識別がしやすいなど、可読性が重視されています。
AvenirはFuturaを強く意識しているようで、制作者のFrutiger氏は "Right from the beginning, I was convinced that Avenir is the better Futura." と語っています(Dialogue between Frutiger & Kobayashi )。フォントの名前にも現れていて、"futura"はラテン語で「未来」、そして"avenir"はフランス語で「未来」を意味します。
ファーエンドテクノロジーの名刺はアルファベットと数字にAvenir Nextを使っています。住所の部分は小塚ゴシックとAvenir Nextの和欧混植としています。
以上、私の主要な常用フォントの紹介でした。
Mac OS Xにはヒラギノをはじめとした美しいフォント、Futuraなどの歴史ある定番書体、Avenir Nextなど普通に買うとそこそこの値段がする定番書体がたくさん入っています。調べてみるとおもしろいです。Avenir Nextの制作者のお一人である小林章さんの本『フォントのふしぎ』は、いろんな欧文フォントとその歴史が豊富な写真とともに紹介されていてお勧めです。
日本語フォントのサンプルで使用した例文の出典:
例文「巡る季節を七色に染めるやさしい水都(みず)のまち」は、「松江市の歌」(作詞: 湯川和幸)
を引用しました。
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