Q&Aシステムで社内のナレッジを蓄積したい


Photo by Véronique Debord-Lazaro

前田です。今月は新卒と中途あわせて2名の新しい社員を迎えることができました。8年前の9月に会社を設立したときには自分一人だったことを思うと感慨深いです。

しかし、スタッフが増えるにつれてナレッジの共有が課題と感じています。社内ポータルサイトやWikiなどに情報を集約しようとしているものの、特定の人に聞かないとわからない事柄がやっぱりあります。

それを解決するために、社内用Q&Aサイトが使えないかと思い、去年の秋頃から適当なツールを探していました。利用者が質問の投稿やほかの質問への回答を行えるようなツールです。OKWAVEYahoo! 知恵袋 のような仕組みを実現するためのツールと説明した方がわかりやすいかもしれません。

今回はその過程で見つけたオープンソースのQ&Aシステムを紹介します。

Askbot

最初に検証したのはAskbotです。LibreOfficeのQ&Aサイトで使われているのを見て知りました。Q&Aサイトを作ろうと思ったきっかけもLibreOfficeのサイトです。


Askbotの公式サイト

LibreOfficeの質問サイト

ただ、依存するライブラリの組み合わせの問題か、検証時点の最新版0.7.5では pip install した後にそのままではうまく動かすことができず、GitHubで最新開発版を取得する必要がありました。また、 "no answer" や "no vote" の日本語訳が「メール無し」になっているのも不満でした。

日本語訳については自分で直して開発元にフィードバックすべきところですが、影響範囲を調べるなどの時間が割けないうちにほかのツールを試し始めてしまいました。

Vanilla Forums

次に試したのはVanilla Forumsです。PHPで書かれています。

Askbotと違って動かすまでに特につまづくところもありませんでした。TwitterやFacebookアカウントでの認証も利用でき、日本語も問題なく利用できるなど必要な機能は一通り揃っています。


Vanilla Forumsのコミュニティフォーラム

これでいこうとほぼ決めていたのですが…

Discourse

最近見つけたのがDiscourseです。Rubyで書かれています。結論からいうと、様々な点でDiscourseが気に入って、採用を決定しました。

Vanilla Forumsを使ってQ&Aサイトを作ろうとほぼ決めていたところで、たまたまDiscourseを見つけました。"next decade of the Internet"、次の10年のインターネットのためのディスカッションプラットフォームだそうです。


Discourseの公式フォーラム

まだ使い込んでいないのですが、現時点では次の点が魅力に感じています。

①画面がきれい

CSSのカスタマイズ等を行わなくてもすっきりしたきれいな画面で、ロゴさえ設定すればそのまま使えそうです。ユーザーインターフェイスも今風です。

②インストールやバージョンアップが簡単

公式のインストール手順はDockerを使った手順です。何も迷うことなく短時間でインストールできました。

バージョンアップがwebの管理画面でボタンを押すだけで済むのもうれしいです。


Discourseのバージョンアップ作業中の画面

③管理機能が充実

利用者が自由に書き込みをできるサイトは、どうしても広告宣伝やテスト目的の書き込みなどが行われます。そういった書き込みをなるべく減らすためにタイトルや本文の最低文字数や最大文字数の設定ができたり、閾値によるアカウント作成の制限、IPアドレスによるブロックもできます。

管理者による管理操作のログが残るのもポイント高いです。

今後

まずは社内で業務マニュアルや技術情報を蓄積するために使っていきたいと考えています。社内FAQのようなものをDiscourseを使ってつくるイメージです。

ナレッジの蓄積手段としてはWikiが有名ですが、使いこなしがやや難しいと感じています。まるで本を書いたりwebサイトを作るときのように全体を意識しながらページを作成しなければなりませんし、ある程度完成した状態のWikiはどうしても気軽には更新しにくいです。

Q&Aサイトであれば、一つのコンテンツが質問と回答の組み合わせで完結していてほかのコンテンツからの独立性が高く、全体の構造をそれほど意識せずに気軽に書けるのがよいと感じています。

運用をはじめてうまくいったら、また報告したいと思います。

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