田中です。しれっと3年7ヶ月ぶりに戻って参りました。あらためまして、宜しくお願い致します。
さて復帰最初の投稿は、最近私が取得した「無人航空機操縦者技能証明」(いわゆるドローンの国家資格)についてです。
近年、軍事・商用・ホビー各界で進歩著しいドローンですが、我が国では2022年12月から「無人航空機操縦者技能証明制度」という制度が始まりました。ドローンの活用と運行に関心が高まり、急激に需要が増加してきたことから、運行管理手続きの効率化と運行空域の安全確保の為に『特定の技能と知識を有する者への技能証明付与』を行うことになったのが本制度の始まりです。
ちなみに本制度が始まるまでは、ドローン操縦士協会や日本UAS産業振興協議会といった民間団体が認定する技能証明制度(いわゆるドローンの民間資格)がありました。ただ、資格というより英語検定のような技量認定に近いものです。国交省に届け出る飛行許可の一部省略ができましたが、国家資格への統一により2025年12月18日で民間資格による省略は廃止されました。
(参考情報: 無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)改正に関する説明会)
付与条件は、国交省が定める実技試験と筆記試験に合格することです。試験に合格すると「無人航空機操縦者技能証明書」(以下「技能証明書」)が発行されます。この資格は一等と二等の2種類があります。
ポイントは以下の3つの理解と一等と二等でできることの違いです。
私なりにまとめてみました。
特定飛行とは、特定の空域(空港等の周辺とか人口集中地区の上空など)と飛行方法(夜間飛行や目視外飛行など)によって指定される飛行のことです。
(参考情報: 無人航空機 飛行許可・承認申請ポータルサイト- 国土交通省)
| 飛行カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| カテゴリⅠ | 特定飛行に該当しない飛行 |
| カテゴリⅡ | 特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じたうえで行う飛行(=第三者の上空を飛行しない) |
| カテゴリⅢ | 「立入管理措置を講じない」飛行、つまり、第三者の上空を飛行する最もリスクの高い飛行形態 |
レベルは全部で4段階ありまして、それぞれ次のように分類されています。
| 飛行レベル | 内容 |
|---|---|
| レベル1飛行 | 目視内(機体を直接見ながら)飛行(手動飛行) |
| レベル2飛行 | 目視内での自律飛行(プログラミング飛行) |
| レベル3飛行 | 無人地帯での補助者(立入管理措置)あり目視外(モニターで確認しながら)飛行 |
| レベル4飛行 | 特定飛行で補助者の配置をせずに自動操縦し、かつ目視外での飛行 |
| 資格区分 | カテゴリ | レベル | 必要な場面 |
|---|---|---|---|
| 一等 | カテゴリⅢの飛行が可能 | レベル4飛行含む全ての飛行が可能 | 物流や都市部での高度な業務を行う時 |
| 二等 | カテゴリⅠ、カテゴリⅡの飛行が可能 | レベル1~3飛行が可能 | インフラ点検や空撮・農薬散布など民間業務 |
国家資格を持っていれば何ができるのかは国土交通省のWebサイトで詳しく解説しています。
航空:無人航空機の飛行許可・承認手続 - 国土交通省
私の技能証明書取得までの流れは次の通りでした。概ね半年掛かりましたが、仕事の都合で学科試験を受ける時間が取り難かったのが主たる理由で、もう少し短い期間で取得することも可能ではないかと思います。
| 4月 | 松江市内の登録講習機関で講習と実技試験の申込みを行う 実技講習開始までにドローン情報基盤システムで技能証明申請者番号の取得 |
| 5月 | 3日間の実技講習と実技試験を受けて合格 |
| 8月 | 学科試験を受験して合格 学科試験は株式会社プロメトリックの運営するネット試験(Computer Based Testing=CBT)です。 |
| 9月 | ドローン情報基盤システムで新規交付申請 |
| 10月 | 国交省から無人航空機操縦者技能証明書が届く |
個人差は当然あると思いますが、私が一番難しかったのは実技試験でした。「実技科目:8の字飛行」では危うくコースアウトしかけて減点があり、ギリギリの合格でした。なお、コースアウトしていたら失格不合格でした。(動画があれば良かったですが、必死だったので撮影している余裕がありませんでした)
学科試験は、地図を読む能力と講習で教わった基本的な航空法や事故が起こった時の対応手順が出題されました。記憶が新しいうちすなわち講習から日を置かずに受験されることをお勧めします。
ところで技能証明書が無くても100g未満の機体であれば屋内で飛ばすことは誰でも可能です。私も100g未満の超小型機もプロポーショナルシステム(プロポ)の基本操作は共通ですので、練習機体として2年前から自宅で使っています。100g未満のミニドローンは軽いので風に弱く、GPSや姿勢制御センサーもないので、屋外での使用は厳しいというのが率直な感想です。
なお、100g未満の機体あるいは機体登録してある100g以上の機体を屋外で飛ばしたい時は、国交省への飛行許可・承認申請を行えば技能証明書の交付を受けていない人でも飛行可能になります。もっとも、この飛行許可・承認申請の手続きには空域や飛行経路といった細かな設定が必要で、これが大変面倒です。この手続きを省略できたり簡素化できるのが、今回私が取得した技能証明書ということになります。
また、どんなに小さな機体でも人にぶつかれば大変な怪我になる可能性があります。家の中で飛ばす時も近くに人がいないか、ぶつけて壊れたら困るものがないかなどは確実に確認したい事項です。なお、市街地の上空やお祭り会場で無資格・無許可でドローンを飛ばして撮影したりすると航空法や小型無人機等飛行禁止法などの違法行為になり、100万円以下の罰金や1年以下の懲役刑を科せられる可能性があります。
取得に掛かった費用(税別)です。
| 実技講習と実技試験 | 197,000円 | ※1 |
| 学科試験 | 8,800円 | |
| 身体検査 | 5,200円 | ※2 |
| 技能証明書交付手数料 | 3,000円 | |
| 計 | 214,000円 |
※1 実技講習と実技試験: 講習機関によって異なります。私が調べた時は松江市内の機関(事業者)は20万円代が相場でした。
※2 身体検査: 実際は身体検査をしなくて、自動車免許の提出で済みますので5,200円でした。
「ちょっとお小遣いで取って来るね」という気軽な金額ではないかもしれないですが、かかる金額に見合う将来性のある国家資格だと思います。
ドローンは人が簡単に近付けない場所へ行かせることができる、いわば翼の無い人類が獲得した「俯瞰できる眼」です。ドローンのカメラが映し出す画像からは、日頃私たちが簡単に見えない角度からの画像が得られます。AIと連動して得られた画像を解析したり、高所や悪所でなかなか人の手が加えられなかった場所の修理修繕を実行させたりと、これから益々幅広い用途で人類社会に貢献できる可能性が期待されています。いつか物理的に離れた場所や建物の裏側も、ドローンを使ってモニターに映し出された画像を見ることで「目の前にある」という表現になる時代が来るかもしれません。
さて、私は今年「二等無人航空機操縦者技能証明」の「目視内飛行」と「昼間飛行」の限定付きという最も基本的な資格を取得しました。2つの限定を解除するには「目視外飛行」と「夜間飛行」の実技試験に合格して申請しなければなりません。来春までに限定解除試験の合格、再来年春に一等取得を目標に掲げています。一等技能証明を取得したら、ドローンを購入して機体登録後に色々な空域を飛ばすのが今の私の夢です。
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