AIを活用してテキストエディタ「Textbringer」のプラグインを作った話


My Redmine

黒谷です。今回はAIを活用してTextbringerのプラグインを作った話です。もちろんこの原稿もTextbringerを使って書きました。

Textbringerとは

TextbringerはRubyで実装されたEmacsライクなテキストエディタです。 Rubyのコミッターである前田修吾さんが開発されました。

shugo/textbringer: An Emacs-like text editor written in Ruby

私は普段から仕事でもプライベートでもTextbringerを使っています。TextbringerはRubyで拡張できるので、使いなれたRubyで気軽に便利な機能を追加することができる...と書きたいところですが、ソフトウェア開発者ではない私には大きな機能追加は難しいです。ちょっとしたコマンドを追加する程度のことはできましたが、それ以上のことはできませんでした。

AIの活用

近年AIがどんどん高性能になり、バイブコーディングという言葉も出現し、素人でもソフトウェア開発ができるようになりました。AIを活用すれば、私でもTextbringerの機能追加ができるのではないかと思い、あったらいいなと思う機能を作ってみることにしました。Textbringerにプラグインのしくみがあることは知っていたので、プラグインとして作ることにしました。

使用したのはClaude Codeです。他と比較したわけではなく、まずClaude Codeから試してみようかなという気分で採用しました。

最初は、欲しい機能をAIに伝えるところから始めました。Developers Summit 2026 参加レポート(当社ブログ記事)で「スペック駆動開発(SDD)」という言葉が紹介されていました。そこまできちんと仕様を整えたわけではありませんが、Emacsに似ている機能があれば「Emacsの○○という機能と同じような機能を実現したい」みたいにできるだけ具体的に伝えるようにしました。また、複数の機能を同時に作ることがないように、作る機能がひとつになるように気をつけました。

少しずつ機能を追加していく中でソースコードの改善が必要になったとき、ソースコードを修正してすぐコミットしようとすることがありました。ソースコードの修正差分を見ても善し悪しが判断できないため、私が判断するための根拠となるものと、改修プランを示してもらい、議論してから修正案を示してもらうことにしました。CLAUDE.mdに以下のような指示を入れています。

* ソースコードの改修案を提示するときは、根拠となる事実(修正されたコミットがどれか、等)を示してから、改修プランを示し、ユーザーと議論をしてから、提示する。

テストコードについては、Textbringerに含まれるテストコードをAIに見てもらい、それを参考にしてテストコードを書いてもらうようにしました。勉強していない私には書けないので大変助かります。

私は議論した内容を忘れるので、作業を終えるときに議論した内容や実施した内容の概要をテキストファイルに保存することにしました。Claude Codeは過去に終了した状態から再開するコマンドがありますのでそれを活用すれば良いのですが、過去の記録をさっと見返したいときにテキストファイルがあると良いなと思ったのでそのようにしています。

作ったプラグインの紹介

textbringer-minibuffer-extension

Textbringerではファイルの操作をするときなどにミニバッファを使います。このミニバッファの操作が便利になるといいなと思って作りました。

普段 zsh を使っており、TABを押すだけで選択肢を次から次へ変えてくれる挙動になれてしまいました。Textbringerでも同じようにしたいと思って作りました。

Gemとして登録したので、

gem install textbringer-minibuffer-extension

でインストールできます。

ソースコードは以下のリポジトリから取得できます。

https://github.com/kurod1492/textbringer-minibuffer-extension

textbringer-recentf

EmacsにはRecentfというモードがあります。このモードを有効にすると、開いたファイルのファイル名を保存しておき、あとから参照できるようになります。Textbringerを使う前、Emacsを使っていた頃はこの機能を便利に使っていました。Textbringerでも同様の機能があるといいなと思って作ってみました。

保存されたファイル名のリストをミニバッファで選択することになるため、textbringer-minibuffer-extensionがないと使いにくいと考え、依存関係が設定してあります。

Gemとして登録したので、

gem install textbringer-recentf

でインストールできます。

ソースコードは以下のリポジトリから取得できます。

https://github.com/kurod1492/textbringer-recentf

まとめ

AIを活用してTextbringerのプラグインを作ってみたというお話でした。他の人が実現してくれるのを待つのではなく、AIの力を借りて自分で作ることができる良い時代になったと感じています。

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