3行で言うと…
今回のブログの担当は石川です。10月14日(土)に開催された「オープンソースカンファレンス 2017 Shimane」に参加しました。今回はただの参加者としてでなく、ブースの対応とセミナー発表を行いました。
セミナー発表では「怖くない?オープンソースへの貢献 〜実務経験1年の初心者がRedmineのパッチを送った〜」というタイトルで、初心者がRedmineのパッチを送ったという経験をベースに、送る前にどう思っていたか、実際はどう感じたかなどの話をしました。
関連した話でこんなブログも書いています: Redmineを改善するパッチを書いて、OSSへの貢献もする仕事
??「石川さんセミナー発表やりません?」
石川「えっ、話せるようなこと何もないです」
??「OWASP ZAPでセキュリティチェックとかやってましたよね、あれは?」
石川「全然詳しくないですし、無理です。あ、でもRedmineのパッチを送った話ならまだできるかもしれません…」
??「いいですね!やってみたらどうですか?」
石川「そうですねー、少し考えてみます」
こんな感じでした。 その後、今回のOSCは島根での開催が10回目になる記念すべき回で、会場も昨年とは違うと聞いて更に怖気付きました。それでも、今までやったことのないことに挑戦したいと言う意欲もあり、発表をすることに決めました。
これを考えた上で何よりも重視したのが「初心者が」という部分でした。タイトルの時点でできる限りハードルを下げておきたかったので、「初心者です。初心者の話なので低レベルです。期待しないでください」という渾身の思いを込めて第一案を考えました。
社長にこのタイトルと、当時考えていた発表の概略(3行まとめ)を見てもらうと…
これは私の考えですが、勉強会での発表などプレゼンテーションは、受講者に行動を促すのが一番大きな目的だと考えています。石川さんの内容ですと、オープンソースにもっと気軽に貢献してみようというのが一番大きなメッセージになりそうな気がします。そうすると、タイトルでも行動を促すことを意識するのがよいのではないかと思いました。
このようにご指摘いただきました。
確かに、「初心者がRedmineのパッチを書いた話」というタイトルでは何を伝えたいのか、聞いた人にどうして欲しいのか、結局何もわからないですね。初心者がRedmineのパッチを書いて「もうこりごり…」と感じたのか、「楽しかった!」と感じたのか、何もわかりません。 また、「初心者」と言うワードについても、何の初心者なのかよくわからないので、もう少し具体的になると良いかも、と助言をいただきました。
なんだか長くなりました。 できる!という言い切り型にタイトルを変更し、副題的な感じで「実務経験1年の初心者がRedmineのパッチを送った」というハードル下げの文章を入れました。
ただ、自分が「できる!オープンソースへの貢献」と言うタイトルで堂々と発表できる自信がなかったので、以下のように変更しました。
できる!→できたかな?の変更で若干自信のなさが現れるタイトルになりました。 一旦これで申し込みましたが、最終的に話したい内容が「できる!やってみよう!」から「怖くないと言うことを伝えたい」に変わってきたので、それに合わせてタイトルもこんな感じに変わりました。
もっと良いタイトルにすることもできたと思うのですが、初めての発表という不安感を踏まえるといい落とし所だったかなと思います。 今回は行動を促すタイトルを思いつかず、結局問いかける(?)感じのタイトルになりました。
話す内容を整理しきれないうちに資料作りを始めてしまったので、かなり手こずりました。たった15分の発表なのにスライドのページ数が45ページを超えていて、結局一から考え直すことに。やはり自分の話したいことを整理した上で資料を作ることが大事だと感じました。
発表の数日前に社内で簡単にレビューを受け、いくつかの変更を加えました。 主に「具体例がない」という点について指摘があり、ついついその時の感情を伝えることを中心に話す内容を考えていたので、曖昧としたつまらない話になってしまっていました。
修正前のものはスライドも曖昧な箇条書きで、「htmlを少し変えるだけでも貢献になることに気づけました。すごいことをしないといけないわけじゃないことが分かったことで不安に思わなくなりました」というようにさらっと最終的に感じたことだけを話そうとしていたのに対し、修正後のものは実際に私が送った「中かっこ一つを移動させただけで直るバグ修正」のdiffを貼り付け、そのコードを送った時の体験談を交えて話すように、より具体的に変更しました。
指摘を受けた中で一番印象に残っているのが、「これだと石川さんがすごかったり、周りにすごい人がいたからなんとかなったようにも見える。」という言葉でした。今回発表をする中で最も伝えたかったのは「私でもなんとかなった。怖くなかった。」というところだったので、それだと本末転倒です。改めて自分の作ったスライドや話す内容を見直してみると、自分のカッコ悪いところとかを省略して「なんとかなった」という結論に焦点を置いていたので、「よりカッコ悪く、泥臭い」感じをスライドに足して、本番に挑みました。
口では「緊張する」と言いつつそんなに緊張感もないまま本番当日。発表する台の前に立ち、パソコンを接続して、プロジェクターで画面がきちんと映っていることを確認し、司会の方に準備できましたと声をかけます。そして、『それでは、石川 瑞希さん、よろしくお願いします』と振っていただいたその時、あることに気がつきました。
手元の画面が準備していたのと違う!
私はkeynoteを使ってスライドを作っていたのですが、keynoteではスライドの再生中に手元に表示する画面を発表者用にカスタマイズすることができるので、その機能をフル活用してカンペを書いたりといった準備をしていました。下の画像のように、残り時間がわかるタイマーと、カンペ、現在表示されている画面と、次の画面が表示される予定でした。
しかし、手元のPCに表示されていたのは、以下のような画面でした。(※実際は1ページ目が表示されています)
これはよくある問題で、過去にも同じようなことになって直したこともあったのですが、本番にこうなってしまったので頭が空っぽになってしまい、解決方法もすっぽ抜けてしまいました。
解決方法: keynoteでプレゼンする際にmac book airに発表者ディスプレイを表示させる為には |公式 Apple サポートコミュニティ
結局、混乱を隠せず、発表者用の画面も見えないまま本番15分を乗り切りました。 こうして万全の状態で発表できなかった点に関しては悔いが残るのですが、発表後いくつか質問やコメントをいただけたりと、思ったより優しい反応が返ってきて安心しました。 「発表するときは聴衆は決して敵ではない」と以前習ったことがあったのですが、本当にその通りだったと思います。また、スライド作りの中でこだわっていたかっこ悪いポイントで笑いが起きたりもしたので、最後の修正はやっぱり間違っていなかったと感じました。
最大の反省点は、本番前の接続チェックをした時にプロジェクターで投影された画面を見ることでいっぱいで手元のパソコン画面を見ていなかったことだと思います。その時点で発表者用画面が出ていないことに気付けていれば、本番あんなに混乱せずにすんだ気がします。
上記のように反省点はたくさんあるのですが、はじめてこうして人前で発表することができ、良いこともたくさんありました。
私はイベント後の懇親会というのが話題に困ってしまうことも多く苦手だったのですが、今回は発表を聞いてくださった方の感想を聞けたり、発表についてのアドバイスをいただいたりと話題に困ることがなかったので楽でした。(発表をした予想外の利点)
もっと発表を上手にでできるようになるにはどうしたらいいんでしょうか、と質問すると、「やっぱり場数」という答えが返ってくることが多かったです。今回第一歩を踏み出せたので、今後も場数を踏んでより上手に話せるようになっていきたいです。
2017/11/18(土)に行われる redmine.tokyo 第13回勉強会 に参加し、LTを行う予定です。
「灰かぶりチケットはシンデレラに成り得るか?〜ガントチャートのパッチ書いてみた〜」
Redmine公式でのガントチャートに関わる動きはゆっくり。そんなガントチャートに対して小さなパッチを投稿した話をします。
また長いタイトルになってしまいました。タイトルを簡潔にまとめ、なおかつ伝えたいことを伝えるというのは本当に難しいですね。こうして場数を踏んで、少しずつ余裕を持てるようになっていきたいです。redmine.tokyo 第13回勉強会では、OSCの反省を生かして頑張ります!
Redmineを改善するパッチを書いて、OSSへの貢献もする仕事 オープンソースソフトウェア「Redmine」のパッチを書いて機能の改善活動に参加しています。 |
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