黒谷です。2024年4月25日に Ubuntu 24.04 がリリースされました。
Canonical、24.04 LTS Noble Numbatを公開 | Ubuntu
皆さん既にお使いですよね。私も、Redmine 5.1 を動かすために Ubuntu Server 24.04 の環境を構築することにしました。
Ubuntuの仮想環境を構築する場合、以前はMultipassを使っていました(Ubuntuの仮想環境を構築・管理できる「Multipass」を使ってみた)。Multipassは、コマンドラインであらゆる操作を実行できるので、大変使いやすいソフトウェアだと思います。
今回もMultipassを使うつもりだったのですが、業務で起動するDocker環境とMultipassが使用するポート番号がぶつかる状況が発生してしまいました。別の仮想化ソフトウェアを探したところ、「UTM」を見つけました。UTMは、macOSとiOSで実行することができる仮想化ソフトウェアです。今回は、macOS版を使用して、Intel Mac上に構築しました。
UTMは、GitHubのリポジトリからダウンロードすることができます。Releasesのページの最新バージョンのAssetsにあるUTM.dmgをダウンロードし、展開して、UTM.appをApplicationsフォルダにドラッグアンドドロップするとインストールできます。
この記事は、執筆時点の最新バージョン 4.5.3を使用します。
UTM上で仮想マシンを起動するには、UTMを起動して、「新規仮想マシンを作成」をクリックします。
次の画面で「仮想化」または「エミュレート」を選択します。今回は、Intel Mac上でUbuntu Serverを動かしたいので「仮想化」をクリックしました。
「オペレーティングシステム」の画面で「Linux」をクリックします。
「Linux」の画面では、起動するLinuxイメージを指定します。今回は、事前にダウンロードしておいたUbuntu ServerのISOイメージファイルを使うことにしました。
「起動ISOイメージ」の欄の「選択...」をクリックし、ISOイメージファイルを選択します。指定できたら「続ける」をクリックします。
「ハードウェア」の画面で、仮想マシンに割り当てるメモリの量やCPUコア数を設定できます。今回はデフォルトのままにしました。
設定できたら「続ける」をクリックします。
「ストレージ」の画面で、仮想マシンに割り当てるドライブのサイズを指定できます。今回はデフォルトのままにしました。
設定できたら「続ける」をクリックします。
「共有ディレクトリ」の画面で、ホストPCと仮想マシンがファイルを共有するためのディレクトリを指定できます。今回はMac上に「utm-shared」というフォルダを作成し、これを共有ディレクトリとして使うことにしました。
「選択...」をクリックして「utm-shared」フォルダを設定します。設定できたら「続ける」をクリックします。
「概要」画面で、仮想マシンに名前をつけます。名前を入力したら「保存」をクリックします。
仮想マシンの一覧画面が表示され、作成した仮想マシンが表示されました。これでUbuntu Server 24.04の仮想マシンが作成できました。
仮想マシンの一覧画面で、リストの中から起動したい仮想マシンをクリックし大きな再生ボタンをクリックすると、仮想マシンが起動します。
仮想マシンを作成するとき、Ubuntu Server 24.04のISOイメージファイルを選択しましたので、Ubuntu Serverのインストーラーが起動しました。
インストールが完了したあと、ISOイメージファイルをCD/DVDから取り除いて、仮想マシンを再起動するとUbuntu Serverのログイン画面が表示されました。
インストールの途中で作成したユーザーでログインすると操作できました。
仮想マシンを停止する場合、OSの終了コマンド(Linuxであればshutdownコマンドなど)を実行すれば停止しますが、何らかの理由でコマンド入力ができなくなり、とにかく停止したいという場合があると思います。そういうときは、仮想マシンが起動中のウィンドウのタイトルバーの左上にある電源のアイコンをクリックすると停止できます。
Ubuntu Serverの仮想マシンが作成できたので、Redmineをインストールしていきたいのですが、UTMの画面で直接操作するのはなにかと不便です。例えば、サーバ設定ファイルの編集を手作業で行うのはちょっと面倒です。あらかじめ作成しておいた設定ファイルをコピーして手間を省きたいですね。それを見越して今回は「utm-shared」という共有ディレクトリの設定をしました。
ホストOS側は、仮想マシンを作成するときに「utm-shared」というフォルダを共有する設定ができていますので、あとはそのフォルダを仮想マシン側でマウントすれば使えるようになります。
仮想マシンがLinuxの場合、VirtFSという形式で認識できるようです。詳しくは公式ドキュメントをご覧ください。
Ubuntu Serverにログインし、マウントポイントとなるディレクトリ(今回は /mnt/utm-shared
としました)を作成します。
$ sudo mkdir /mnt/utm-shared
mountコマンドを使って以下のように実行することで、Mac上の「utm-shared」フォルダを /mnt/utm-shared
ディレクトリにマウントできました。
$ sudo mount -t 9p -o trans=virtio share /mnt/utm-shared -oversion=9p2000.L
これで、Mac上で作成したファイルを共有できるようになりました。
ファイルを共有できるようになりましたが、コマンド入力はどうしても必要になります。そこでUTMの画面で直接操作せず、macOS上で使い慣れたターミナルで作業できるように、SSHリモートログインできるようにしました。
Ubuntu Server側がSSHリモートログインを受け付けるためには、SSHサーバソフトウェアが必要です。Ubuntu Serverをインストールする手順の中で、SSHサーバを導入するかどうか選択できましたので、そこで導入しました。
macOS側のSSH公開鍵をディレクトリ共有でUbuntu Server側にコピーし、IPアドレスを確認して、SSHリモートログインできるようになりました。
仮想マシンを使って作業をしていると、もう一度クリーンインストールしたいということがよくあります。そんなとき、もう一度ゼロから仮想マシンを作るのは面倒です。そこで、仮想マシンの複製を作っておくと便利です。
仮想マシンを右クリックし「複製...」をクリックします。
「この仮想マシン、およびそのすべてのデータを複製しますか?」という画面が表示されるので「はい」をクリックします。
元の仮想マシンの名前の末尾に「2」が追加された仮想マシンが作成されました。
次回からは、複製した仮想マシンをさらに複製して使うと良さそうです。
macOSで使用できる仮想化ソフトウェア「UTM」を使ってみました。UTMは操作するボタンがわかりやすいアイコンで表示されており、迷うことはないと思います。今回は使いませんでしたが、クリップボードの共有機能もサポートされているようですので、デスクトップ環境の仮想マシンとホストOSのやりとりも簡単にできそうです。
サーバ環境であればDockerなどのコンテナを使うことが主流だと思いますが、デスクトップ環境が必要なケースでは仮想化ソフトウェアが必要になります。しばらくこのUTMを使ってみようと思います。
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