COSCUP2025出展&発表の振り返り


My Redmine

呂です。今年、台湾で開催されたオープンソースイベント「COSCUP x RubyConf Taiwan 2025」に、私・黒谷・前田社長の3人でブース出展しました。

COSCUP x RubyConf Taiwan 2025:https://coscup.org/2025/

ただし今回は企業としての参加ではなく、オープンソースのコミュニティ「Redmine Users」としての出展です。そのため、私たちのクラウドサービス「My Redmine」の宣伝は行わず、純粋にRedmineのオープンソースプロジェクトを支える立場での活動に徹しました。

海外、かつコミュニティとしての参加ということで、これまで日本国内で出展してきたイベントとは雰囲気もスタンスも異なりました。Redmineユーザーからのフィードバックも、日本でのイベントとは異なる視点が多く、とても新鮮でした。

また、今回は登壇の機会もいただき、英語での発表に挑戦しました。本記事では、COSCUPで得られた気づき、現地での体験、そして発表の内容がどのように深まっていったかを振り返ります。

COSCUP出展ブース対応で感じたこと

まず印象的だったのは、来場者の多さと年齢層の若さです。話しかけやすい雰囲気で、ブース対応もとてもやりやすく感じました。

初の海外出展で最初は緊張もありましたが、来場者の9割以上が台湾の方だったため、自分の母語である中国語で対応できたことは非常に大きな助けになりました。Redmineの説明も、想像以上にスムーズに対応できました。

そして、黒谷が制作した“光るキーボード”が今回も大活躍。多くの来場者が足を止め、「Redmineと関係あるんですか?」と聞かれるたびに「実は関係ないんです。でも光ってると、みんな見に来るんですよ(笑)」と返しては笑いを誘いました。

関連ブログ記事:たのしい自作キーボード〜分割キーボードやPRK Firmwareの話〜

それでも来場者は、楽しそうにRedmineのデモ環境を操作してくれました。日本でも海外でも、集客ツールとして非常に優秀だったと思います。

台湾でのRedmine利用状況(ブース対応から得た情報)

今回の出展をきっかけに、「Redmine Users」のXアカウントや、台湾ユーザー向けに新たに開設したFacebookページ「Redmine在台灣・前田前線」のフォロワーも増加。今後のRedmine普及活動にとって大きな励みとなりました。

COSCUP登壇までの振り返り

今年の夏に開催された「OSC2025島根」では「コードを書かなくてもできる!オープンソース貢献の第一歩」というテーマで登壇し、非エンジニアでも翻訳・ドキュメント改善・フィードバックなどを通じてOSSに関われることをRedmineの実体験をもとにお話ししました。

関連ブログ記事:OSC2025島根にブース出展しました

今回のCOSCUP登壇では、次のような新たな課題に直面しました:

そこで私は、前回のテーマをさらに発展させ、「自然言語とプログラミング言語の深い関係性」や「Redmineの開発における自然言語の重要性」といった切り口に踏み込むことにしました。

発表テーマを深めていったプロセス

まずは、自分の“Markdownって“値下げ”のこと?”というIT初心者時代のエピソードからスタート。そして、日本での在留資格更新をきっかけに頭の中で自然に「Redmineのガントチャート」が思い浮かんだ体験を通して、「OSSとの関係は、自分の生活に役に立ったと感じるところから始まる」という気づきへとつながりました。

そこから次のようなトピックへと話を発展させていきました:

そして最終的には、以下のような構成にたどり着きました:

英語発表文の完成とその意義

試行錯誤の末、最終的に25分の英語プレゼン原稿が完成。非エンジニアの視点から、言語とテクノロジーの接点、そしてUIの言語表現が果たす役割までを丁寧に掘り下げた内容となりました。

このプロセスで得られたのは、「登壇できた」という成果以上に、「自分の言葉でOSS貢献を語れるようになったこと」、そして「コードを書かなくてもOSSに参加できる」というメッセージを自信を持って伝えられるようになったことでした。


発表資料(PDF)

最後に

OSCでの初登壇からCOSCUPでの英語発表に至るまで、テーマを深めていく中で再確認したのは:

OSSはコードを書く人だけのものではないということ。

言語、視点、体験の多様性があるからこそ、オープンソースはより豊かになる——その一端を担えたことを心から嬉しく思います。今後も、非エンジニアだからこそできるOSSへの関わり方を模索しながら、自分なりの貢献を続けていきたいと思います。

My Redmine
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