Redmine公式サイトで作ったチケットが300件に達したので10年間を振り返ってみる

3行で言うと…


前田です。2018年に入って最初に担当するブログはRedmineの話題です。今回は本当は別の題材を予定していたのですが、日曜日にRedmine公式サイトでのチケット作成数の累計が300件になったのに気がついて、急遽変更しました。

作成チケット300件

オープンソースの課題管理ツールRedmineの開発においては、機能要望やバグ報告はもちろんRedmineで管理されています。アカウントの登録さえすれば誰でもチケットの作成は可能で、私も時々バグ報告やパッチ投稿のためにチケットを作ってきました。

1月21日の夜、たまたまプロフィール画面を見たとき、作成したチケットの総数がちょうど300件に達したことに気がつきました。初めてチケットを作ったのが2008年2月11日なので、ほぼ10年です。就職したのが1997年ですから、働いている期間の半分くらいはRedmineに関わっているのだなぁと感慨深い気持ちになります。

300件到達と初チケットから10年を記念して、今回はRedmineにかかわった10年間を振り返ってみます。


年ごとのチケット作成数(2018年は1月23日までの分)

2008年

この年は12件のチケットを作っています。Redmineが気に入って使い込み始めた時期でした。Redmineがまだまだ荒削りでいろいろ気になることが多かったように記憶しています。

初めてチケットを作ったのが2008年2月11日のようです。内容は、テキストを入力できるところにはすべてWiki記法のヘルプへのリンクが必要だと訴えているもの。同様のリクエストが数件あり、2008年03月29日にリリースされたRedmine 0.7.0で実装されました。

2008年は初チケットのほかにも記念すべき事項があります。この年の9月9日にファーエンドテクノロジーを設立し、11月末には初めての著書「入門Redmine Linux/Windows対応」が発売されました。大きな転換点となった年でした。


2009年

2009年は前年から大きく減って、年間で3件しかチケットを作っていませんでした。日本語訳が2件と、メールによるチケット登録の改善提案が1件です。ファーエンドテクノロジーが2年目に入り、かなり忙しくしていた時期でした。

この年の3月、会社の所在地を自宅からテクノアークしまねのインキュベーションルームに移しました。

9月にはRedmineのクラウドサービス「My Redmine」の正式サービスを開始しました。12月、8社のお客様に対して初めてMy Redmineの請求書を発行しました。


移転直後のオフィスの様子。32㎡の部屋に机が4つあるが働いていたのは自分一人

2010年

2010年は9件のチケットを作成しています。My Redmineのお客さんが少しずつ増え、サービスを運営する中で気がついたことを報告することが増えてきました。

この年の1月、Redmineの日本語情報サイト「Redmine.JP」の派生サイト「Redmine.JP Blog」を始めました。1月1日に開設して15日ごろまではほぼ毎日更新していたところ、予想外にたくさんの方々にアクセスしていただけるようになりました。My Redmineの無料お試しのお申し込みも大きく増えたことをよく覚えています。

8月には書籍「入門Redmine 第2版」を発売しました。このときからMy Redmineをご契約いただいたお客様に書籍をお送りするキャンペーンを始めました。これは現在も継続しています。


2010年秋のリニューアル後のMy RedmineのWebサイト

2011年

15件のチケットを作成しました。このうち6件が翻訳関係です。この頃から新たに追加されたメッセージはほぼすべて私が翻訳していました。

この年の2月、前年11月にRedmineプロジェクトを離れたEric DavisらがRedmineをフォークした Chiliproject を立ち上げました。このニュースを知ったときはRedmineの先行きに大きな不安を感じました。Chiliprojectが2015年に開発を終了した一方、Redmineは今も継続的に発展を続けているのですが、それでもEric Davisが去ったのは大きな痛手だったと思います。

不思議な縁を感じるのは、Chiliprojectの Why Fork? のページに名を連ねている6人のうち Felix SchäferHolger Just です。彼らは今はファーエンドテクノロジーの提携先のPlanioのエンジニアであり、Redmineの開発に大きく貢献しています。

11月には、3年近くお世話になったインキュベーションルームから松江センタービルに移転しました。現在入居しているビルと同じビルですが、部屋の大きさは今の4分の1です。


2011年11月3日の引っ越し当日、レイアウトが終わった直後の新オフィス

Chiliproject

2012年

25件のチケットを作成しました。うち17件が日本語訳です。増えたとはいえ、ほぼ翻訳で件数で稼いだ感じです。

この年の8月、書籍「入門Redmine 第3版」が発売されました。第2版までをご購入いただいた方には少し申し訳ないのですが、自分としては第3版でようやく本としての一応の体裁が出来上がってきたと感じています。家は3回建てないと満足しないと言われますが、本も第3版でようやくそれなりの形ができました。

2013年

18件のチケットを作成して、うち12件が日本語訳です。ほぼ翻訳担当といった感じです。

自分の中でこの年に少しいい仕事をしたかなと思うのが、それまで英語版だけだったTextileやMarkdownが、ユーザーが設定されている言語に応じたものが表示されるようにするパッチを開発してRedmine 2.4.0で取り込まれたことです。


関西オープンフォーラム2013。Redmineをアピールする目的で初めてイベントに出展。
現在も使っているRedmineロゴ入りブルゾンはこのとき初めて制作

2014年

25件のチケットを作成しました。

やはり翻訳が多くて18件を占めます。この年は「入門Redmine 第4版」を執筆していて、原稿で使うスクリーンショットをとりつつ、そのときに気がついた点を変更・修正するパッチを送るというのをやってました。

11月に、Redmine公式サイトで Contributor の権限が与えられ、チケットの整理や、対象バージョンの設定ができるようになりました。これをきっかけにRedmine公式サイトでの活動量が増えました。Redmine 3.2以降のバージョンではそれまでより多くの機能が実装されたことなどに貢献できたと思っています。


ある日気がついたらContributorに加えられていた

2014年11月、香川大学で講義を行った際に富永先生と。
お互い知り合う前から互いの著書を読んでいたことが判明。

2015年

前年にContributorの権限をもらったことがきっかけでRedmine公式サイトでの活動量が急増し、この年に作成したチケットは58件になりました。前年の倍以上です。翻訳が半分を占めているのは相変わらずですが、細かな改善や修正のパッチをいくつか送っています。

この頃になるとMy Redmineのお客さんがかなり増えてきて、サポートに寄せられるお問い合わせの件数も多くなっていました。サポートに寄せられた要望や不具合について積極的にパッチを送るようになったのもこの頃からだったと思います。

また、Contributor権限が与えられたことで、自分が送ったパッチに対して対象バージョンを自分で設定するということができるようになり、パッチが取り込まれる可能性が高まりモチベーションが上がったのも理由の一つだと思います。

2016年

前年並みの50件のチケットを作成しました。チケット作成数こそ横ばいですが、ほかのユーザーのチケットへのコメントやパッチのレビューはそこそこの件数をこなした気がします。貢献してくださる方になるべく反応することを心がけ始めました。

この年の6月、Redmineはリリースして10周年を迎えました。日本では松江、大阪、東京で10周年を祝う会が開催されました。

Redmine 10周年記念 10年ふりかえり from Go Maeda

また、入門Redmineの最新刊である「入門Redmine 第5版」が12月に発売されました。

2017年

過去最高となる74件のチケットを作成しました。10年で300件のチケットを作ったのですが、実はそのうちの25%は2017年の1年間で作っています。

My Redmineのサポートでも「公式サイトに報告しました」「修正の提案をしました」といった対応をすることが増えてきました。


お客様からのお問い合わせをもとにRedmine本体の修正を提案

さらに11月にはコミッターになり、修正をより迅速に反映できるようになりました。

10年使ってるRedmineのコミッターになった

Redmineのコミッターになりました。担当範囲は各種バグフィックス、各国語訳の更新、ガントチャートの改良です。ほかのコミッターの負荷を減らすことで、Redmineがより良くなる手伝いをしたいと思っています。

10年ふりかえってみて

2008年に初めて作った頃はRedmineに出会って間もない頃でした。Redmineをすごく気に入っていたのですがまだまだ荒削りで簡単に改善できそうな部分が多く、わずかでも協力できればと考えて、自分でもできる範囲の簡単な貢献を行っていました。できる範囲のことをやっているうちに気がついたらだんだんできることが増えてきて、気がついたらついにRedmineの開発への関与が大きくなっていました。

できることが増えたと言えば、チケットを書くときの英語も多少は改善された気がします。実は昔のチケット、自分が書いた英文なのに何を言っているのかわからないものがあります。

今後もこの調子でRedmineに関わることができればと思います。

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