Amazon Aurora(PostgreSQL互換)のインスタンスタイプをGraviton2に変更した効果


My Redmine

最近、くしゃみが出ることが増えた気がしますが、花粉症ではないと自分に言い聞かせています。こんにちは、吉岡です。

今回は、弊社が運営するRedmineのクラウドサービス「My Redmine」Gen.2で利用している Amazon Aurora のインスタンスタイプを r5 インスタンス から r6g インスタンス(Graviton2)に変更した話をご紹介したいと思います。

概要

弊社では My Redmine Gen.2 のデーターベースに Amazon Aurora PostgreSQL互換(以下 Aurora)を利用しており、インスタンスタイプは、db.r5 を利用していました。

最近、PostgreSQLのバージョンを10.x系から14.x系にアップグレードしたことでGraviton2のインスタンスタイプを利用できるようになりました。Graviton2は、同じ価格でより高いパフォーマンスを発揮できるので、以前から非常に魅力を感じてました(Graviton2は、AWSが開発したArmベースのプロセッサで高いパフォーマンスを発揮します)。そこで情報を集め検討した結果、db.r5ファミリーからGraviton2(db.r6g)にインスタンスタイプを変更することを決定しました。

変更にあたり、以下のようなメリットがありました。

  1. コスト削減
  2. パフォーマンス
  3. 環境問題

順に詳細の説明をしたいと思います。

効果1. コスト削減

単純計算して、同じCPUのコア数、メモリーを選択した場合、月々の利用料金の削減が期待できます。弊社の場合、現在以下のように構成を変更しました。

月額利用料の計算式: 時間あたりの利用料 x 利用時間 x 日数 x 利用台数 = 月額利用料

インスタンスタイプ 月額利用料(USD)※1
db.r5.2xlarge 2(reader, writer 各1台) 0.930*24*30*2 = 1339.2
db.r6g.2xlarge 2(reader, writer 各1台) 0.823*24*30*2 = 1185.12

差額は 1339.2 - 1185.12 = $154.08
月額でかなりのコストカットにつながりました!

※1 リザーブドインスタンス1年前払いなしで計算しています。

効果2. パフォーマンス

利用事例(公式・非公式)を見る限り、利用実績も着実に増えおり信頼できるサービスであると思います。ユースケースによっては思うようにパフォーマンスが上がらなかった事例もあるようですが、ほぼ良い結果になっていました。また、マネージドのサービス(例えばRDS, OpenSearchなど)に関しては変更した方が良い結果になっているようです。

今回弊社の事例として正確な数字はお伝えできませんが、変更後、アプリケーションのレスポンスタイムに変化はなく高負荷時(ピーク時)のCPUの使用率は、変更前と比べて少し下がったような印象を受けています。(例えば複数のDBに対して同時に rails db:migration を実行したときなどCPUの上昇が少ない)

効果3. 環境問題

Amazon EC2 におけるエネルギー使用量 1 ワットあたりの最高のパフォーマンス
お客様の二酸化炭素排出量を削減するために、AWS Graviton プロセッサは、よりエネルギー効率の高い設計となっています。Graviton ベースのインスタンスは、同等の EC2 インスタンスと比較して、同じパフォーマンスで最大 60% 少ないエネルギーを使用します。

引用: AWS Graviton プロセッサ( https://aws.amazon.com/jp/ec2/graviton/

上記引用文に書かれている通り、サステナビリティの観点からもエネルギー効率が向上することで地球環境への負荷を減らすことができると言われています。弊社も地球環境にやさしい企業でありたいと思います。

まとめ

変更後、2ヶ月程度運用していますが特に問題もなく安定的に運用できています。CPUに負荷のかかる作業を行なっても以前ほど利用率が上昇しなくなりました。AWSのマネージドのサービスでは積極的に活用すると良いかなと感じています!

次の目標としてアプリケーション(Redmine)を動かしている Fargate でも Graviton2 の利用を検討してみたいと考えています。

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