Redmineのフィルタの新機能「全検索可能テキスト」フィルタ、「いずれかを含む」演算子、履歴検索演算子


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前田です。最近コードを書くことが少なかったのですが、4月以降はRedmineの機能改善のためにこれまでより多めにコードを書いています。ちょうど4月からファーエンドテクノロジーではAIを利用してコーディングの支援を提供するツール「GitHub Copilot」を導入したのですが、Copilotの支援によりコードを気持ちよく書けるようになった気がします。

さて、4月以降に私が開発していた機能の多くがチケットのフィルタの機能強化に関するものです。今回のブログではそれらのいくつかを紹介します。ここで紹介する新機能はいずれも次期リリースであるRedmine 5.1およびファーエンドテクノロジー版Redmine「RedMica」の2.3(2023年5月リリース予定)で利用できるようになります。

「全検索可能テキスト」フィルタ: 複数のテキスト形式フィールドを横断して検索

Feature #38402: "Any searchable text" filter for issues

新しいフィルタ「全検索可能テキスト」フィルタは、チケット内の複数のテキスト形式を横断して検索できるフィルタです。

題名、説明、コメントなど特定のフィールドのみを検索する既存のフィルタと異なり、全検索可能テキストフィルタは多くのテキスト型フィールドをまとめて検索します。具体的な検索対象はチケットの題名、説明、コメント、そして「検索対象」と設定されたカスタムフィールドであり、画面右上の検索ボックスと同じです。検索ボックスがフィルタとしても実装された、とも言えます。

例えば、チケットのフィルタにおいて [全検索可能テキスト] [含む] [recipe] と指定すると、題名、説明、コメント、カスタムフィールド(「検索対象」と設定されたものに限る)のいずれかに "recipe" というキーワードを含むチケットを抽出できます。

キーワードがどのフィールドに含まれているのか特定できない場合(例: 題名か説明かコメントのいずれかにキーワードが含まれるがどれかは不明)もフィルタを使ってチケットを抽出できるようになります。

Redmineのフィルタ「全検索可能テキスト」
「全検索可能テキスト」フィルタの使用例

「いずれかを含む」演算子: 同一フィールド内でOR検索

Feature #38435: "contains any of" operator for text filters to perform OR search of multiple terms

テキスト形式のフィルタでOR検索が行える「いずれかを含む」演算子が新たに追加されます。スペースで区切った複数のキーワードを指定すると、フィルタで指定したフィールドにいずれかのキーワードが含まれるチケットを抽出できます。

例えば、[題名] [いずれかを含む] [closed locked] と指定すると、題名に "closed" または "locked" のどちらかを含むチケットが表示されます。

なお、複数キーワードによるOR検索が行えるようになるのは「いずれかを含む」演算子だけではなく、既存の「前方一致」「後方一致」演算子でも複数キーワードをスペースで区切ることでOR検索が行えるようになります。例えば、[ファイル] [後方一致] [.jpg .png] と指定すると、拡張子が .png または .jpg のファイルが添付されたチケットを抽出できます。

ちなみに、AND検索を行いたい場合は「含む」演算子で複数キーワードを指定します。こちらは2021年3月リリースのRedmine 5.0ですでに利用可能です。

Redmineのフィルタ「いずれかを含む」演算子: 同一フィールド内でOR検索
「いずれかを含む」演算子の使用例

履歴検索演算子: フィールドの過去の値を検索「現在/過去の値」「一度もない」「過去の値」演算子

Feature #38527: New issues filter operators "has been", "has never been", and "changed from"

これまでRedmineのフィルタは、指定したユーザーが更新したことがあるチケットを検索する「更新者」フィルタを除き、現在の値のみを検索対象としていました。新たに追加される「現在/過去の値」「一度もない」「過去の値」演算子はチケットの履歴に記録されている過去の値を検索できます。これら3つの新しい演算子が追加されるフィルタはトラッカー、優先度、担当者、対象バージョン、カテゴリの5つです。

例えば、 [担当者] [現在/過去の値] [自分] のように指定すると、現在自分が担当者であるか、または過去に自分が担当者であったチケットを抽出できます。「過去の値」演算子は「現在/過去の値」と似ていますが、過去にその値から別の値に変更されたことがあるものを抽出するもので現在の値はチェックしません。[担当者] [一度もない] [自分] とすると、現在も過去においても自分が一度も担当者であったことがないチケットを抽出できます。

Redmineのフィルタ 履歴検索演算子: フィールドの過去の値を検索「現在/過去の値」「一度もない」「過去の値」演算子

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