いま注目しているRedmineの新機能開発チケット

3行で言うと…


冬になるとコタツから出られなくなる石川です。最近じわじわと寒くなってきましたね。今年は雪道の運転をしなくて済むと良いのですが…

今回のブログは Redmine Advent Calendar 2018 にエントリーしています。

Redmineは世界中にいるユーザの皆さんによって作られた要望やバグ報告のチケットをもとに、有志による開発が日々行われています。現在開発が進んでいるけれどまだコミットされていないチケットの中で、個人的に動向に注目しているチケットについてご紹介します。

個人的に動向に注目しているチケット

1. Patch#29482 プロジェクト一覧画面の改善


現在(Redmine3.4)のプロジェクト一覧画面

開発中のパッチを適用したプロジェクト一覧画面

<主な改善内容>

といった、プロジェクトの一覧画面をチケットや作業時間の一覧画面と同じような表示・機能にするという改善を進めているチケットです。

プロジェクト一覧画面を改善するチケットは他にもたくさん作られていますが、個人的には一番良いんじゃないかなと思っています(賛否両論ありますが)。この機能がリリースされれば、多くのプロジェクトを確認する必要がある人にとってはかなり便利になりそうです。

現在このチケットのバージョンは「Candidate for next major release(次期メジャーリリース候補)」となっており、具体的なリリースタイミングなどはまだ決まっていません。

2. Patch#29045 トラッカーの日本語訳を変更する

Redmine においてトラッカーというのはとても重要な要素です。しかし、日本語で「トラッカー」という言葉を Redmine 以外で聞いたことのある方は少ないと思います。


トラッカー

このチケットでは現在「トラッカー」と訳している tracker という名称をどう日本語化するか、という議論が行われています。「チケット種別」「ワークフロー種別」「型」など多くの改善案が出ていますが、まだ結論は出ていません。「多くの人にわかりやすく」「実際の役割を表現する形で」といったように考慮する点も多いので、名前付けは本当に難しいですね。新機能というわけではないですが、日本人にとってはとても興味深く関わりの強いチケットなのでピックアップしました。

これについて変更するためには多くの人の意見が必要なので、「チケット種別いいね!」とか「〇〇の方がいいんじゃない?」など、多くの意見をお待ちしています!

3. Feature#442 トラッカーの説明を追加する

Redmineを使い慣れていない時など、「どのトラッカーを設定すれば良いかわからない」となることは多いと思います。また、トラッカーごとに細かい運用フローが決められており、説明を見ないと忘れてしまう、というケースもあるかもしれません。


開発中のパッチを適用したチケット作成画面

そういった問題を解決するための提案として、トラッカーに説明文を設けるというチケットが作成されています(11年前に作られた、かなり古いチケット)。シンプルですが、多くの人にRedmineを使ってもらうためには必要な機能だと思っています。このチケットもバージョンは「Candidate for next major release(次期メジャーリリース候補)」となっており、具体的なリリースタイミングなどはまだ決まっていません。

4. Feature#3058 チケットの履歴をタブを利用して表示する

1つのチケットの中でステータスの変更や担当者の変更、スケジュールの変更などが頻繁に行われ、チケットに記載したコメントが見つけづらくなることってあると思います。このチケットで開発が進められているパッチを適用すると、現在の履歴と同じですべてを表示したタブとは別に「コメントのみ」「状態の変更のみ」等というタブがあり、それぞれを分割して見ることができるようになります。


現在表示されているのと同じ、履歴(すべて)を表示するタブ

注記(コメント)の履歴のみを表示するタブ

ステータスや担当者など、状態の変化の履歴のみを表示するタブ

このチケットは次のバージョンでのリリース対象となっていたのですが、「Redmine 4.0を早くリリースするためには後回しにした方が良い」という判断から、さらに次のRedmine 4.1でリリースされる候補となっています。#3058#note-76 にて「リリースが遅れているので、4.0でのリリースを再考しては?」という意見もあるので、もしかしたら4.0入りもあるかもしれません。

5. Feature#7360 プロジェクト毎にデフォルトのカスタムクエリを設定できるようにする

チケット一覧画面などでカスタムクエリを利用している方は、一度は「毎回カスタムクエリを選択しなくても、デフォルトで設定できれば良いのに」と思ったことがあると思います。このチケットでは、デフォルトのカスタムクエリを設定する機能の開発が行われています。

Redmine Default Custom Queryというプラグインを元にしたパッチが過去に投稿されましたが(#7360#note-35)、下記の理由により現在もリリースは保留となっています。

6. Feature#5358 (バージョンと同じように)カテゴリをサブプロジェクトで継承利用できるようにする

バージョンと同じようにカテゴリをサブプロジェクトでも継承利用できるようにしたい、というチケットです。これも8年以上前に作られた古いチケットで、現時点で106件のコメントが集まるほど多くの人に必要とされています。

最近になってYuuki NARAさんが GitHub で開発されているコードがチケットでシェアされ(5358#note-97)、リリースへの期待も高まっている気がします。

7. Feature#1448 チケットにタグをつけられるようにする


チケット編集画面-タグ

10年以上前に作られた古いチケットで、現時点で126件のコメントが寄せられています。このチケットで開発されているパッチを適用することで、カテゴリとは違い複数のタグをつけることができるようになり、より柔軟にチケットの分類ができるようになると思います。

現時点ではまだバージョンも設定されていませんが、最近Marius BALTEANUさんによって最新の環境で動くパッチが投稿されたため、今後動きがあるかもしれません。

最後に

私が注目している Redmine の新機能開発チケットを7件ご紹介しました。今後これらの要望がどのような形で実現されるかはまだわかりませんが、こういった多くの人に必要とされている機能が少しでも早くリリースされると良いと思います。これからの Redmine のリリースをお楽しみに!(多分そろそろRedmine 4.0がリリースされるはず…)

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