3行で言うと…
今回の記事では、現在開発中で、まもなくリリースされそうなRedmine 4.0.0の新機能のうち、私が特に気に入っているものを紹介します。
Redmine 3.4が2017年7月にリリースしてから一年余りぶりとなるメジャーバージョンアップ、Redmine 4.0がいよいよリリースされそうです。2018年10月17日時点では残りのチケット件数が6件となり、Jean-Philippe Lang氏がその気になればいつでもリリースできる状態です。
Redmine 4.0がどんなバージョンかと問われたら、一見地味だけどしっかり磨きがかけれらたバージョンと答えたいです。現時点でクローズされているチケットは185個ですが、分かりやすい新機能が盛りだくさんだった3.4とは異なり、バグ修正、小改善の割合が高めです。ただ、小改善とはいっても、使い勝手に地味に影響するものが数多くありますので、4.0に慣れてから3.4に戻ると違和感を覚えることが多々あると思います。
さて、Redmine 4.0は一見すると地味なリリースと書きました。とはいえ、200件近くものチケットがクローズされていますので、紹介したくなる便利な新機能もそれなりにあります。今回はその中でも特に私が気に入っているものを7個ピックアップして紹介します。
書きかけのチケットやWikiをプレビューするとき、これまでは記入欄の下の「プレビュー」リンクをクリックしていましたが、Redmine 4.0では編集画面とプレビュー画面をタブで切り替えるようになります。GitHubなどいろんなサービスで見かけるインターフェイスですね。たくさん書いたときは編集画面とプレビュー画面を上下にスクロールしながら見比べるのが大変でしたが、Redmine 4.0では移動が少なくて使いやすくなります。
チケットやWiki内のテキストからチケットにリンクするためには #123
という書式を使います。ただ、この方法だと画面にはチケット番号だけが表示されるためトラッカー名や題名が分からず、使い方によっては不便なことがありました。
Redmine 4.0では新しいチケットの書式 ##123
(#
が二つ)が導入されます。これを使うとチケット番号のほかにトラッカー名と題名も表示されます。説明欄や注記欄、Wikiでチケットの一覧を作るときなどに便利そうです。
チケット一覧で右クリックをするとチケットの更新などが行えるコンテキストメニューが開きます。ステータスや担当者を素早く更新できて便利ですが、右クリックしてみないと存在に気がつかないので、知らない人が多くいました。
Redmine 4.0ではコンテキストメニューを表示するためのボタンが追加され、存在に気がつきやすくなります。
Redmineのガントチャートはチケットの情報を元に描画を行うだけであり、その場で編集する機能はありません。例えばステータスや担当者を更新するだけでもこれまではチケットの編集画面に移動する必要がありました。ちょっとした更新でもいちいち別画面と行き来する必要があり、操作性が良いとは正直言えませんでした。
Redmine 4.0ではガントチャート上のチケットとバーに対してコンテキストメニューが追加されます。担当者、ステータス、対象バージョンなどの変更だけであればその場で右クリックで変更できます。ガントチャートの操作性が少しだけ改善されます。
この機能は弊社の石川が開発しました。
チケットの一覧をCSV形式でエクスポートするとき、文字列のエンコーディングはユーザーの言語の設定によって決まり、日本語の場合は CP932(≒ Shift_JIS)です。一般的なUTF-8ではないのは、WindowsやmacOS上のExcelで読み込んだときに文字化けするのを防ぐためです。
チケットを日本語だけで書いているときはよいのですが、外国語が混在している場合などCP932で未定義の文字が含まれているとその部分が文字化けするという問題がありました。この問題は、UTF-8などUnicode用のエンコーディングでCSVにエクスポートできれば解決します。
そこで、Redmine 4.0ではCSVエクスポート時にエンコーディングを選択できるようになります。デフォルトは言語の設定に従ったエンコーディング(日本語の場合は CP932)ですが、UTF-8も選択できます。
これも弊社の石川が開発しました。My Redmineのお客様からの「出力したCSVファイルが文字化けしている」というお問い合わせがきっかけでした。サポートで受け付けたお問い合わせをもとにRedmine本体の改善・修正をすること、結構あります。
チケットやWikiページから添付ファイルをクリックしてプレビュー画面を表示したとき、Redmine 4.0では「前」「次」画面が表示され、ほかの添付ファイルのプレビューを次々と参照できるようになります。これまでのバージョンではほかのファイルのプレビューを表示しようとすると、チケットやWikiの画面に戻ってから別のファイルをクリックする必要がありました。
実はこの画面に限っては、キーボードの左・右のカーソルキーでも前・次の移動ができます。ほかの画面でも同様のキー操作が使えるようにすると便利そうです。
Redmineにはソースコードのキーワードを強調するシンタックスハイライト機能があります。ただ、現行バージョンのRedmineでは対応言語の数がおよそ20にとどまっています。年々新しい言語が登場する中で、Redmineが対応する言語は2013年にGo言語などが追加されて以来増えていませんでした。
Redmine 4.0.0ではシンタックスハイライト用のライブラリをこれまでのCodeRayからRougeに切り替えることで、130以上の言語に対応します。C#、Swift、Kotolinなどはもちろん、ApacheやNginxの設定ファイルなどのハイライトもできます。すべての対応言語の一覧は以下で確認できます。
Code highlighting supported languages
この機能は私が開発しました。2016年12月末に最初のパッチを送ってからおよそ2年、今年9月にRedmine 4.0向けに採用されました。
約1年ぶりのメジャーバージョンアップとなるRedmine 4.0を記念し、10月19日に島根県松江市で「Redmine4.0を記念する会」を開催します。みなさまとRedmineを楽しく語らう会にしたいと思います。ご参加お待ちしています。
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