今年の防災訓練は消火器やビルの消防設備について研修しました


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秋晴れの宍道湖を眺めていると、湖岸に行ってゴロンと寝そべってボーッとしたくなる田中です。


松江センタービルからの眺め

さて、事業継続計画(BCP)の一環としてこれまで毎年9月に「避難訓練」を実施していました。松江市の指定している避難所まで実際に歩いて経路を確認することが主目的でした。

しかし、今年は避難訓練の計画を立案している時に「京都アニメーション放火事件」が起こりました。この痛ましい事件に接して、火災に遭遇した時にどうやって安全を確保するかを確認する必要があるように感じました。特に会社で被災するだけでなく、ご家庭や旅行先で被災することも十分にあり得ます。もちろん避難することが最優先ですが、消火に関しての知識を得ることも大切だと思い至りました。

そこで、今年の訓練は「避難経路の確認」からより総合的な「防災」の訓練として「初期消火」と「消火設備」、「避難経路と姿勢」を実施することにしました。

訓練の要旨

短い時間で記憶に残る質の高い訓練にするために、思い切って次の3点を重点的かつ単純化して実施しました。

また、当日のカリキュラムは次の通りです。

  1. 動画視聴(10分)
  2. 消火器操法(5分)
  3. 避難経路確認(10分)
  4. 携行品確認その他(5分)

「初期消火」ができる状況

動画の視聴につきましては「千葉市」様がYouTubeで公開されている「消火器の使い方」がとても分かり易かったので利用しました。

  1. 火災を見つけたら先ずは大きな声で「火事だーっ」と周囲に伝えます。
  2. 次に近くに消火器があれば火が小さなうちは初期消火を行います。可能な限り風上に位置して手前から徐々に火元に近づけるように消化剤を撒きます。

油火災や電気火災の場合、水は危険なので絶対に直接火元に向かって使わないでください。また動画の最後に出てきますが、消火器を使った初期消火は炎が天井に届くまでが限界です。天井に炎が届いたら諦めて避難します。

消火器の使い方

今回の訓練のために「訓練用消火器」を用意しました。水道の水を充填して放水が可能ですが、社内で使用するため水は入れずに使用しました。

「安全ピン」を抜き、「ノズル」を持ち、「レバー」を握るという3点動作を経験してもらいました。安全ピンを抜き忘れたり、ノズルを持たないでレバーを握るなど誤操作をし易い点を注意点として説明しました。


訓練用消火器を使いました

また、意外と知られていないのが「消火器はどのくらい消化剤を放出できるか?」という使用可能時間でした。ほとんどの方が「1分以上」使えると思っていたそうです。皆さんはどのくらいだと思いますか?一般的な家庭用消火器で「15秒程度」が正解です。

火災の時に逃げる方向はどこか

火災が発生した場合の火元と自分のいる位置にもよりますが、原則「火元に近づかない」方向に逃げます。また内階段ではなく外階段を利用します。内階段の場合ですと、煙突現象により火と煙が上に向かって猛烈なスピードで上がって来るからです。そして可能な限り「水平方向」に向かって逃げましょう。2階ぐらいの高さなら、窓を割って飛び降りることも躊躇しないでください。

逃げる時の姿勢ですが、普通に歩いていてはダメです。なぜなら火災で一番怖いのは「煙に巻かれる」ことだからです。視界を奪われ、呼吸困難になりパニックを起こしてしまうのが最も危険です。また煙に含まれる有毒ガスで意識を失うこともあります。煙を避けるためには、鼻と口にハンカチや上着などその時に持っている布を当てます。そしてできるだけ低い姿勢で移動します。

また、ビルによっては「消火器」以外に「消火栓」や「防火扉」が設置されていることがあります。


ビルの防火設備を確認しました

基本的な機能について知っておくと避難の時に必ず役立ちます。またスプリンクラーやハロゲン消火設備など火災を感知して自動的に起動する設備もあります。よく利用するデパートや駐車場にどのような消火設備があるか確認することをお勧めします。

訓練を終えて

今回の訓練を通して分かったことは、「消火器」の使い方があまり知られていないことでした。学校や職場で避難訓練を経験したことはどなたでもあると思いますが、日頃使わないと忘れてしまうものなのです。でも、完璧に使えなくても知識として知っておくだけでも自分の身を守り被害を小さくすることに必ず役立ちます。

また被災時に一番危険なのはパニックになることです。そして一人のパニックは周辺にいる人に伝播して拡散されます。多くの人がパニックになると安全確率が減り、被害程度が飛躍的に上昇します。命を救うのは落ち着いて正しく逃げることであると理解して、知り得た知識で落ち着くようにしましょう。知らなければパニックになり易く、知っていれば落ち着くことができるのです。

私たちは消防や自衛隊、警察のように毎日訓練できるわけではありません。しかし、年に1回程度の訓練でも何もしないよりは自分の身を守ることに大きなプラスになるのです。

そして訓練を実施する立場として、防災訓練は集中して肝心なことだけ覚えてもらえるように「短時間」「単純化」「体験型」の3Tが重要だと実感しました。次回は倒れた人を見つけた時に役立つ心肺蘇生法(CPR)をしましょうかね。


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