黒谷です。9月ですが、まだまだ暑い日が続きますね。皆様ご自愛ください。
2023年5月開催のRubyKaigi 2023のDay 0に企画されたKeebKaigi 2023に参加したとき、お土産にTALPKEYBOARDさんのPiPi Gherkinをいただきました。
作ろう作ろうと思いながら1年以上たってしまいましたが、先日、自宅で使っていたHelix PicoのProMicroのUSBポートがもげてしまいました。これはPiPi Gherkinを作りなさいということだなと思い作ることにしました。
マイコンは当初Raspberry Pi Pico(ラズパイPico)を考えていたのですが、遊舎工房でUSBタイプCコネクタの互換品を見つけたので、それを試してみることにしました。結果としては、ラズパイPicoを使うのと全く同じように動作しました。
「マイコンを取り付けるときはコンスルーを使うべし」と習ったのでコンスルーも購入しました。
PiPi Gherkinはダイオードが30個必要です。
軽くてリニアなスイッチを探して、以下のスイッチを試してみることにしました。
キースイッチの取り付けはソケットを使って取り替え可能にしようと思い、ソケットも購入しました。売り切れのショップが多かったのですが、Amazonに出店しているショップで購入できました。
価格が安くて良さそうなものがないかなと探していたら、以下のキーキャップに出会い、購入しました。写真よりも実物の色が結構良くて気に入っています。
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最初にダイオードをはんだづけしましたが、あとでソケットをはんだづけするときに少し苦労したので、ソケットを先に、ダイオードを後にしたほうが良かったかもしれません。
ダイオードの足をいい感じに曲げて基板に差し込みます。差し込むとき、ダイオードを取り付ける向きがあるので気をつけます。
ダイオードを全部差し込んで、向きを確かめたら、マスキングテープで留めて落ちないようにして、ひっくり返してはんだ付けをしました。
次にソケットをはんだづけしました。基板の表面にはんだづけするのですが、ソケットを載せてからはんだを載せるのが難しいので、先に基板にはんだを少し盛っておきます。
ソケットを載せて、下の写真の矢印の向きにはんだごてを入れて熱するとはんだが溶けてくっつきます。
30個はんだづけしました。
ダイオードのところにも書きましたが、ソケットのはんだとダイオードがギリギリ接触しそうなところが何箇所かありました。ソケットを先にはんだづけしたほうが良かったかもしれません。
次にマイコンの取り付けです。コンスルーを取り付けます。
そしてマイコンを取り付けます。
次にキースイッチを取り付けました。キースイッチから出ている2本のピンが細くて曲がりやすい感じなので、ソケットの穴に対してまっすぐ入るように気をつけました。
次にキーキャップを取り付けました。
ケースを用意していなかったので、足がわりにスペーサーを取り付けました。基板にM2の穴があいているので、それに合うプラスチック製のスペーサーを使いました。奥側を長い足、手前側を短い足にして、少し傾斜をつけました。
これで組み立ては完了です!4時間くらいかかりました。
ファームウェアはもちろんPRK Firmwareを使います。また、公開されているPiPi Gherkin用の keymap.rbを使わせてもらいました。 マイコンにファームウェアをコピーして、keymap.rbをコピーしたら、すぐ動きました。PRK Firmwareは楽ちんです!
PRK Firmwareでは、複数キーのコンビネーションをひとつのキーを押すだけで発動するようなキーを定義できます。そこで、Redmineで良く使うショートカットキーを登録してみることにしました。
Redmineのチケット編集画面では、説明やコメント欄を記述するとき Markdown などの書式が使えます。入力画面には「編集」タブと「プレビュー」タブがあり、表示を確認しながら記述できます。ただ、キーボードで入力している途中にマウスに持ち替えてタブをクリックするのは面倒ですよね。実はこの切り替え操作にはショートカットキーが割り当てられています。
WindowsのChrome/Edgeの場合は Ctrl + Shift + P、macOSのChrome/Edge/Safariの場合は ⌘ + Shift + P です(残念ながらFirefoxは未対応)。 これをワンキー入力で切り替えられると便利ですよね!そこで、このショートカットキーをキーに割り当ててみました。
以下はmacOSの場合です。キーコンビネーションに「TOGGLE_PREVIEW」という名前をつけて、キーの組み合わせを定義します。
kbd.define_composite_key :TOGGLE_PREVIEW, %i(KC_LGUI KC_LSFT KC_P)
あとは好きなキーの位置に「TOGGLE_PREVIEW」を配置してください。そのキーを押すたびに ⌘ + Shift + P が入力され、「編集」タブと「プレビュー」タブが切り替わります。
Redmineのチケットを入力したあと、マウスに持ち替えてポインタを「送信」ボタンまで動かしてクリックするのは面倒ですよね! 実は送信にもショートカットキーが割り当ててあります。
Windowsの場合は Ctrl + Enter、macOSの場合は ⌘ + Enter です。
編集/プレビュータブの切り替えのときと同様に、名前をつけて定義します。以下はmacOSの場合です。今回は「SUBMIT」という名前で定義しました。
kbd.define_composite_key :SUBMIT, %i(KC_LGUI KC_ENTER)
あとは好きなキーの位置に「SUBMIT」を配置してください。チケットを入力したあとマウスに持ち帰ることなくワンキー入力で送信できます。
Redmineのチケット一覧を表示して、上から順番にチケットを見て確認するようなことがよくあると思います。
チケットを表示すると、右上に「前」「次」というリンクが表示され、「次」をクリックする次のチケットが、「前」をクリックすると前のチケットが表示されます。次々チケットを切り替えられるので便利なのですが、マウスを操作しなければならないのがちと面倒です。実はこの操作にもショートカットキーが割り当てられています。
Windowsの場合、前に戻るのは Alt + p、次に進むのは Alt + n が割り当てられています。
macOSの場合、前に戻るのは Ctrl + Opt + p、次に進むのは Ctrl + Opt + n が割り当てられています。
これをそれぞれキーに割り当ててしまえば、ワンキー入力でチケットを行ったり来たりできて大変便利です。
以下はmacOSの例です。「前」に「PREV」、「次」に「NEXT」という名前をつけて定義しました。
kbd.define_composite_key :PREV, %i(KC_LCTL KC_LALT KC_P) kbd.define_composite_key :NEXT, %i(KC_LCTL KC_LALT KC_N)
チケットに説明やコメントを書くとき、太字にして強調したいときがありますよね!
Windowsの場合は Ctrl + B、macOS の場合は ⌘ + B です。
以下はmacOSの例です。「BOLD」という名前でキーを定義しました。
kbd.define_composite_key :BOLD, %i(KC_LGUI KC_B)
ここに挙げたショートカットキーを定義した keymap.rb を GitHub に置いておきますので、興味のある方はご覧ください。
https://github.com/kurod1492/prk_pipigherkin_redmine
Redmineには他にも便利なショートカットキーがたくさんあります。以下のページにまとめて掲載しています。Redmineをご利用中の方はぜひ一度ご覧いただき、ご活用ください。自作キーボードをお使いの方は、お気に入りのショートカットキーを登録してみてくださいね!
Redmineで利用できるショートカットキー一覧 — Redmine.JP
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